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激しい失神発作がおきます。
64歳 女性 162cm・61kg
毎朝、目を開けると気分が悪く、急にふらついて起き上がれない。
脈拍が50回/分以下になると作動するはずのペースメーカーが作動せず、40回/分前後に低下することがある。
その際、死の恐怖を感じるほどの失神発作が起こる。
一日中、心臓が止まるのではないかという強い不安感とめまい感が続いていた。
医師からは「もう治療法はない」と言われ、息子(医師)と婿(医師)に相談しても改善の見込みがないため、当院を紹介され受診した。
高血圧
高コレステロール血症
洞不全症候群
徐脈による失神発作
不眠
H16年11月 ペースメーカー装着
H18年6月 不整脈で入院。
ペースメーカーが作動しない原因は不明のまま退院。
30年前からめまい発作があり、時に失神。
心窩部・後頭~頂部に違和感
夜に横になると、頭が熱くなり、左顔面と両手の小指・薬指にしびれ
朝起きて動くと、心臓が止まるような感覚があり、測定器もエラーを表示する
めまい時には血圧190前後、通常時でも170/90
不眠(安定剤で入眠可)
舌診:淡紅、苔白膩
脈診:弦細
体質:やや熱がり、神経緊張型
H19.6.22 初診・漢方エキス剤処方。
翌日、全身がフラフラし脱力感を感じたが、
右下腹部がゴロゴロと動き、ガスがよく出た。
H19.6.24 **
ガスが抜け、便通が3回あり腹部スッキリ。
この日から頭のふらつきと心臓の不快感が消失。**
H19.6.25〜29
「初めて心臓を意識しない日常生活が送れた」と喜ぶ。
以後も順調に通院し、めまい・不整脈・不眠ともに改善が続いた。
本症例は、ペースメーカーを装着しても改善がみられなかった洞不全症候群と不安・めまい・自律神経失調に対し、
漢方で**「気血の巡りを整え、上衝を鎮める」治療**を行った結果、著効を示した例である。
漢方医学的には、長年の緊張・不安・過労により
「肝気鬱結(かんきうっけつ)→気の昇降失調」が起こり、
心神が乱れてめまいや動悸、頭熱感、しびれが生じたと考えられる。
初期反応として腹部が動き出し、腸気の滞りが解消するとともに、
胸のつかえ・脈の不安定が改善した。
この「腹から動き始めた」変化は、漢方的に非常に重要な治癒サインである。
「毎朝、心臓が止まるのではと怖くて眠れなかったのに、
今は普通に生活できています。
心臓を意識せずに過ごせるのが本当に幸せです。」
難聴で音が聴こえません。
患者情報
64歳・男性
小児期から右耳に難聴がありましたが、5月3日のバス旅行後、翌日から左耳にも難聴が出現。音が割れて聴診も不可能な状態でした。
耳鼻科での聴力検査では、2000Hz以下の聴力が特に悪化し、もともと悪かった右耳の聴力も進行していました。
頭重感、肩こり
食欲は良好
3~5月はアレルギー性鼻炎・結膜炎あり
食物アレルギー(卵・牛乳・鶏肉で腹痛や蕁麻疹)
冷え性(特に手)、冬は手足が冷える
寝汗、口唇のひび割れ
甘いもの好き、胸やけ、口苦
時々心下部痛、立ちくらみ
便秘による痔の出現、日中の尿は濃い、夜間尿3回
皮膚乾燥、多夢
舌:やや胖大、歯痕あり、やや紫赤、苔白膩
脈:弦、沈繁
耳鼻科で「突発性難聴」と診断され、漢方治療を希望して当院を受診されました。
初回処方(3日間):変化なし
5月15日、新しい漢方処方に変更
→ 服用3日目から急に改善し、その日のうちに聞こえるようになり驚かれました。
日常生活や仕事に支障なく過ごされており、再発もなく安定しています。
患者さんは「耳鼻科で治らなかったのに、こんなに早く良くなるとは思いませんでした」と喜ばれています。
鼻詰まりが長引いています。
【症例紹介】長引く鼻づまりが改善した21歳男性
患者情報
21歳 男性
身長170cm 体重75kg
初診日 平成17年12月9日
◆ 症状の経過
10年以上前からアレルギー性鼻炎がありました。現在は冬にくしゃみをした際に少量の鼻水が出る程度で、ほかの症状はほとんどありません。しかし、一日中鼻づまりが続き、口呼吸を余儀なくされていました。耳鼻科で治療を受けても効果はなく、吸入器を1日10回以上使用して何とかしのいでいましたが、すぐにまた詰まってしまう状態でした。
◆ 初診と治療
平成17年12月9日に当院を受診。漢方エキス剤を組み合わせて処方しました。しかし、6日後の12月15日の再診では鼻づまりに変化がなく、「熱邪壅肺(ねつじゃようはい)」と診断し、漢方薬を変更しました。
◆ 改善の経過
処方を変えた後、症状は一気に改善しました。
「鼻が通る日常は夢のようです」と患者さんは喜ばれ、吸入器の回数は日中3回に減り、朝はスプレーをしなくても鼻が通るようになりました。さらに、指導した通り肉食とコーヒーの飲み過ぎを控えたことで、体重も1.5kg減少しました。
平成18年1月26日には、手足が少し冷たくなりやすいものの、尿や便の調子は良好。鼻づまりはほとんど気にならず、スプレーを使うのは1日1回程度まで改善しました。
◆ この症例からのポイント
・長引く鼻づまりでも、体質や生活習慣を見直し、漢方薬を適切に使うことで改善が可能です。
・鼻づまりだけでなく、全身のバランスを整えることが体調改善につながります。