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手術をうけてもクローン病が治りません。
【症例紹介】クローン病で再手術を繰り返した26歳女性
患者情報
26歳 女性
身長160cm 体重54kg
初診日 平成18年3月10日
◆ 発症と経過
18歳のとき、無月経、微熱、下痢、腹痛が出現。双子の妹がクローン病と診断されていたため、自身も病院を受診し、クローン病と診断されました。その後、手術を2回受けています。
平成12年6月には癒着による嘔吐・下痢でイレウスとなり、再手術を実施。さらに平成17年9月から10月末までイレウスが続き、11月には熱と嘔吐が改善せず、再入院しました。入院中には肛門周囲膿瘍があり、肛門膣瘻になる可能性があると指摘されました。排便のたびに肛門に痛みやかゆみがあり、日常生活にも大きな支障が出ていました。
◆ 初診時の症状
・便通:朝1回、時々2~3回
・夜間にエレンタールを3~4パック注入しているため、夜間尿が多い
・下腹部がキュッキュッとつまるように痛む(週1回程度)
・37~38℃の発熱(週1回 → 月1回に減少)
・血清アルブミン2.6g/dLと低く、夕方から夜にかけて足のむくみが強い
・寒熱は普通、手足が冷える、頬に赤み、のぼせ、疲れやすい
・脂っこいものが苦手、ゲップがよく出る、朝起きにくい
・舌の苔は白黄膩
◆ 治療経過
平成18年3月10日:漢方エキス剤を組み合わせて処方
平成18年3月17日:腹のギュルギュル音や痛みがあり、処方を変更
平成18年3月24日:足のむくみが改善し、手や腕のむくみも消失。腕時計がゆるくなるほど細く戻った。体調良好で、食事もおいしく感じるように。自力で1000kcal摂取でき、エレンタール4パック(1200kcal)で元気に過ごせるようになった。
平成18年4月13日:手足のむくみが再び増加。両足が重く、正座をするとパンパンに腫れる。食事量が増え、1~1.5kg体重が増加。舌苔は黄膩。
◆ 現在の状態
1日1~2回の普通便で、食事も幅広く楽しめるようになり、元気を取り戻しました。